日本に住んでいたときは切手を買うことが殆どなかった。旅先から、あるいはたまに気が向いて家族や友人宛てに葉書を送ることはあったが、頻繁ではない。暑中見舞いや年賀状などには郵便代が既に印刷済みだから、わざわざ切手だけを買う機会がない。生活拠点が米国になってから早くも6年。今では、国内の郵便料金が一体いくらなのかもわからないほどだ。
ところがアメリカでは、頻繁に切手が必要となる。公共料金やクレジットカードの支払いは、小切手を送るのが一般的だからだ。うちの場合は、切手代がもったいないため専らOnlineで支払っているが、渡米後数ヶ月は小切手を郵送していた時期もあった。そして当時、なんと便利だろうとひたすら感心したのがシール式の切手。切手を湿らす必要も、わざわざ舐める必要もない。
日本では、1989年に初めてシール式の切手が販売されたようだが、存在すら知らなかった。記念切手など、ごく限られたものだけがこの方式を採用していたのかもしれない。そこで調べてみると、普通切手の50円と80円のシール式切手が郵便局で売り出されたのは2002年3月とあった。ごく最近のことだ。翌年2003年3月に郵政事業庁がとりまとめた"日本郵政公社スタートアップ委員会の活動と成果について"という文書の中には、今後のサービス改善項目の1つとして"シール式切手の拡大"という課題が掲げられている。今まさに普及段階にあるらしい。その一方で、シール式の切手は切手使用後の剥離紙がゴミになるという問題もあり、剥離紙のリサイクル化が今後の検討課題でもあるようだ。
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(写真)アメリカ国内の定型普通郵便は37セント。定型葉書は23セント。日本に比べるとずいぶん安い。日本と同様、年に数種類記念切手が発行される。年末には干支の切手も登場。 |
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