vol.1 インディアンの時代
vol.2 植民地時代
vol.3 イギリスからの独立
vol.4 アメリカ合衆国のはじまり
vol.5 西部開拓の時代
vol.6 北部と南部
vol.7 南北戦争
vol.8 合衆国再統一
vol.9 産業革命
vol.10 新移民たち
vol.11 第一次世界大戦
vol.12 繁栄と不況の時代
vol.13 ニューディール政策

 

vol.11 第一次世界大戦(World War I)


1910年代以降バルカン半島では激しい国際紛争が続いていましたが、1914年にオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫妻がサライェボ訪問中に暗殺されると、これをきっかけにヨーロッパの緊張は一挙に高まり、ヨーロッパ諸国が真っ二つに対立する形となりました。一方は同盟国(Central Powers)と呼ばれ、ドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国、トルコ、ブルガリアが加盟しました。もう一方は連合国(Allies)と呼ばれ、Great Britain、ロシア、日本、フランス、イタリアが加盟、後にアメリカがこれに加わり、1914年夏にヨーロッパ中を巻き込む第一次世界大戦が勃発しました。

第28代目アメリカ合衆国大統領のウィルソン(Woodrow Wilson 在任1913-1921)は、戦争排除を公約に1916年に再選され、連合国に対して物資提供等の経済援助を行っていましたが、中立的な立場を維持するのは極めて困難でした。アメリカは船舶で物資を運搬していましたが、ドイツはこれを妨げるため無警告で敵国の船舶を撃沈し、多くのアメリカ人が命を奪われました。これを直接の理由としてアメリカは1917年に同盟国に宣戦を布告しました。参戦によって多額の金と兵士、武器が必要になったため、政府は公債を発行して金銭的な援助を行い、各工場では船舶や潜水艦、武器を生産して戦争に備えました。1917年5月18日にはSelective Service Act(選抜徴兵制度)が定められ、アメリカ国民である全ての男子は軍隊に登録する義務を課せられ、登録数は同年6月までのわずかな間に950万人にも上りました。

ドイツの潜水艦による攻撃に対抗し、アメリカはSubchaser(駆潜艇)と呼ばれる船舶の製造を開始しました。盗聴器を搭載したことにより海中の敵の潜水艦の位置を大体把握できるようになったほか、水中に沈めて爆発させる爆雷を使って次々に敵国の潜水艦を撃沈しました。

1917年にロシア革命が起こり、新政府はドイツと単独講和を行って休戦状態となったため、ドイツはヨーロッパへ戻りイギリス・フランス等の西部戦線に力を入れ始めました。これを受けてアメリカはイギリス・フランスに応戦始めました。1918年7月までには連合国の情勢も次第に上向きとなり、1918年11月にはドイツ国内で革命が起こり皇帝は退位して休戦が実現しました。他の同盟国も既に休戦状態に入っており、ようやく第一次世界大戦が終結を迎えました。

終戦後も世界は数々の問題に直面しました。ドイツ他同盟国の国々は戦争により多くの負債をかかえました。経済状態は最悪で、連合国に多額の借金があった国々は支払いを断念せざるをえませんでした。ウィルソン大統領は世界平和を願ってLeague of Nations(国際連盟)を立ち上げ、多くの国々がこれに加盟しました。

 最終更新日:2004年1月19日(月)
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